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mimiZのライブ情報、音源などを発信していきます。

2008年07月19日(土)

単純音響合成の果て。 [音系]

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ソフトウエア上のプログラミングで音響合成をするというのは、シンセサイザーに多くの憧れを持っていた者としては夢のようなことでした。高価なハードウエアを買いたい,でも買えない、などと悩まされずにすむのではと思ったものでした。

そして、MaxにMSPというDSP機能が追加され、サイン波がスピーカーから出たときは少なからず心がときめいたものでした。その頃は大学3~4年生で、新潟大学教育学部(現在の教育人間科学部)の音楽科にあるコンピューター室にて使わせていただきました。ありがたい環境でした。

そうなると、あれこれと試してみたくなるわけですが、結局当時のパソコンの処理速度では、あっという間にCPUの占有率がいっぱいになってしまって、少し複雑な音響合成をしようとすると、音が出なくなったりタイミングが遅れたりとしてしまうわけです。 結局まだ安定していないという印象でした。

そうして、結局その後はいったん音響合成は、封印。代わりにサウンドファイルをリアルタイム加工(もしくはリアルタイムに録音、加工)する方向へ進みました。このほうがCPU負担が少なく現実的で、しかも多彩な音響を生み出せるということで、そちらにシフトしていきます。結局こちらの方法論は現在の「みみづ」での演奏等に反映されています。

が、この夏はなにか少し自由研究のようなことでもしてみようという気分になり、先月下旬からいろいろと試しています。とはいえ、他にもやることがたまってきてしまい時間と気分に余裕のあるときに少しずつ進めているといった感じなのですが。

大学時代からかれこれ10年ほど経っているわけで、さすがに当時よりMacの処理速度も速くなり、音響合成もほとんどストレス無く行えるようになっていました。うっかりしていました。どこまでが限界か知りたいくらいですが、まだ余裕はあります。それでも当時から考えれば充分複雑なことができています。




最近やっている事と言えば、8本のサイン波を基本にしてそれらをそれぞれFM合成等を加えて一つの響きを組み上げました。これが7月13日のことで、30分程度の録音でした。
この録音を素材に今度はそこから8つの再生ポイントを切り分けて、8本独立させて加工再生(録音をサンプリング音源として操作する)。などを今後は考えています。昨日その前段階を少し行い、何回か試行錯誤してみて、だんだん気になる素材は現れ始めました。
こうして少し時間をかけて、音響生成とサンプリングとリアルタイムとノンリアルタイムを自由に行き来して何か作ってみようと考えています。単純な響きとプロセスから、音をじっくり練り上げる感じを少し思い出そうといった気分です。



いずれこのようなプロセスは整理して一つの作品(と呼べるもの)にしたいですが、今月は自由に進めて少なくともどこかにたどりつこうと思っています。まだそうした実験段階です。どんなところに行けるかさえ、まだわからない状態なので。


ただ、一つわかるのは、サイン波のこうした簡単なFM変調の音などは、非常に澄んでいて綺麗なのですが、それだけでは何となく当時の「シンセらしい音」、に聞こえてしまいます。良くも悪くも、これは時代性を含んだ音の個性のようなものでしょうか。

だからなおさら、いまこれらの音を使って何かを作るなら一歩踏み出ないといけないなと感じてしまうわけですが、考えてみれば 例えば
こうした音に必ずしも古びた時代性を感じない若い世代もいる訳で、そうした人から見れば意味のない挑戦にみえるのかもしれませんし、そう考えるとなるほど音楽的な挑戦などというのは虚しいな、と思います。

ただ、虚しいからこそ挑戦できるわけですが。




++++++++++++++++++++++++++++++++
(2008年11月29日追記。)

処理を行き過ぎることについて。
一度、行き過ぎてみる。



上記方法論を続けて、夏に2回のライブを経てCDRにまとめました。
以下関連日記です。
shimaf005(書きかけ。)
タタミ カサネ クミナオス

Posted by shimaf at 15時48分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2008年07月14日(月)

BECK新譜『Modern Guilt』を聴く。 [福系]

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BECK の新譜「Modern Guilt」を聴く。輸入版は期間限定で安かったので買っていたのだけれど、もしすごく良かったらしばらく捕われてしまうのではないかという気もしてなかなか封を開けることができないでいた。落ち着いて聴く時間がなかったというのも本当のところだけど。最初の一回目だけは丁寧に聴いておきたいのでタイミングをはかっていたら時間はたってしまった。

ただ、いつまでもそうしていても前に進めないし、今年はなるべく端から事を進めていきたい気分でもあるので、時間もない訳ではなくなったところで、ようやく今日聴いてみた。

結果から言うと、非常に洗練されているし音数も最小限。しかもこれまでのBECKには無い新鮮な要素も多く、満足できるものだった。前作のアルバム中の「ブラックタンバリン」のタイトな方向性を基本に、装飾的な要素を少し進めたようだ。太く生っぽいベースラインに少し歪んだドラムのコンビネーションは今回のアルバムに一貫しているように感じた。ボーカルは力みなく非常に等身大。

ほとんどの曲が3分以内とコンパクトでしつこいところもない分、密度もちょうどいい。セカンドアルバムのようなヒットはないだろうけれど、BECKがセカンドアルバムの呪縛を前作で完全に払拭して新しい方向性に進んだ感じはして、感心。円熟と停滞は同じことではないようだ。

(先日のスティーブ・ライヒの放送を見たときに、後期の隙のない音楽性にライヒは円熟し、完結したように感じたけれど。)

この音楽性に捕われてしまうことはなさそうだけど、一人の人生を見せられてやっぱり素敵だなと思う。


タイトル曲の”Modern Guilt”を聴いて名古屋のスティーブ・ジャクソン”巻き戻しのできないテープ”を思い出す。

Posted by shimaf at 01時05分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2008年07月08日(火)

夏にバテず。 [福系]

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去年の夏は、身体を壊してよく寝込んだ。そのようなことは数年ぶりだった。
暑さで食欲が減退し、食べなくなるのが良くないのだろう。
そのこともあってかもしれないが、今年の夏は気持ちにブレーキがかかりやすい。

すこしだるいときは早めに寝たり、食事もなるべく多く食べるように心がけたりする。ただそれだけが難しい場合もあったのだけど、最近は考えを改めつつある。いままであまり顧みてこなかったものが多くあったし、それらがだんだんと軋んできているのはやはり辛い、ぜひこの機会になんとかしたいというのが本音のところだ。体調だけのことでもないのだが、まずは当たり前の生活から。



そんな中、みみづとしては過去音源のまとめを進めている。
先日miminaryの伊藤さんと少し話す機会があたので、そんなみみづの近況を話したら、「前回もそういってましたよ。」と微笑まれ、僕もそんな気がしてつい笑ってしまった。

メンバーで電話やスカイプによるミーティングも前よりは頻繁になってきたのはここ最近で、やっと動き出したという感じがあったのだけど、よくよく考えれば長くやっているかもしれない。「過去を振り返る」という言葉には、いつもなにか後ろ向きなイメージがつきまとうけれど、
しかし、時を経た音源が素材としておもしろい時期に来ているという実感のほうが強く、どうやらそちらに動かされているようでもある。


メンバーと話をするときは心が和む。これまで時間を共にしてきたことと、どの時期に共有したかということもあるのかもしれない。変化するもの、しないもの、新たな形を結ぶもの、現在進行形で過去を見ることもたまには必要そうだ。



Posted by shimaf at 13時41分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2008年06月29日(日)

メモ、感想。増補『響きの考古学』。 [福系]

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増補『響きの考古学』 藤枝 守著
平凡社ライブラリー (2007)

 音律の歴史。
 音を律するということの原動力が、調和への渇望によって支えられてきたという長い歴史があることを感じさせてくれる名著。一方では産業システムの象徴とも言える平均律批判を穏やかに含みつつ、現代作曲家の新たな音律の挑戦も紹介され、内容は非常に明確で確信に満ちている。

[メモ]
 1オクターブを12半音で等分する平均律と言われる調律法は現在、西洋音楽にとどまらず広く一般的な音楽の基盤として定着している。それはあたかも音律の歴史の一つの終着点というほど絶対的な前提として扱われているが、ここに至るまでの音律の歴史は深い。その変遷は非常に多様で、ピタゴラス音律をはじめとして、多くの個性的な調律方法が考案されてきた。
 平均律はすべての調性に対して均質のとれた響きを提供するが、その分完全に調和のとれた響きは鳴り響かずわずかに濁る。ある調性内に限られた楽曲であれば他の音律で調律されたもののほうが澄んだ響きを生むことになる。

 ピタゴラス音律と純正調との微妙なブレンドによって作られるウエル・テンペラメントと呼ばれる方法は18世紀、バッハの時代に盛んに研究された。バッハの《平均律クラヴィーア曲集》における調律法はこのウェル・テンペラメントによるもので邦題にみられる平均律とは現在のピアノに採用されている平均律とは別のものであり、誤訳に等しい。
 その後19世紀半ば、楽器の生産という産業システムからの要請として平均律は実用化されていき、その後世界の音楽を支配していくことになる。

 1オクターブを均等に分割する平均律の「均質性」は、厳密には純正な音程をどこにも含まない。アーノルド・シェーンベルクによる12の半音すべてを平等に扱う12音技法と呼ばれる作曲法への到達を導いたのはこの平均律の「均質性」によるものとも言える。また一方で20世紀の現代音楽の発展は、クラスターや、微分音の導入(平均律の半音をさらに等分し細分化する)にみられるような新たな音響的追求に特徴づけられる方向性もあるが、この音楽的に緊張感の高い音響(あるいはノイズ)への渇望感は、平均律の「均質性」に対する一つの補完欲求だったといえるのではないか。
 
 アメリカの作曲家ハリー・パーチ(1901~1976)はそんな中、純正調の拡張と身体性という観点から独自の音律を創作していった。その後、純正調などによる音律への注意深い配慮から優美なメロディを生み出したルー・ハリソン(1917~2003)、ドローンから純正の響きを思考したラ・モンテ・ヤング(1935~)、ヤングの結成した「永久音楽劇場」のメンバーでもあったテリー・ライリー(1935~)は純正調に基づく独自の即興演奏を続ける。など、主に70年代前後のアメリカの新たな音律の実験等が紹介され、興味深い実践の一部を垣間みることができる。

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[感想]
 音律の差異は、音楽における個性の差異ともなる。
グローバリズムが突き進み、均質化する現代社会を経験している私たちの今奏でるべき音律とは何か。

Posted by shimaf at 23時58分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2008年06月26日(木)

音の手触り。 [福系]

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先日、濱地潤一さんへCDRを郵送し、その感想を聞く。やり残したことはまだあるので、引き続きやり取りを。

後日、濱地さんからの新たなCDRが郵送されてくる。非常に洗練されたもので、確かにそれは単なる素材ではなく作品であった。1、2曲目は完全なコンポジションもの。3曲目は特殊奏法と循環呼吸による約5分にわたる演奏。1、2曲目を通過した耳で聴くと音の痙攣の背後にテーマとなる地平が透けて見えるようであった。このCDRを素材にまたこちらで処理を進めることになった。その際にはプロセッシングの構造を少し変えてみる予定だ。
細かくはまた少しまとまってからにしたい。

みみづの過去音源を整理していることや、先日偶然自分の過去音源を聴いてしまったこともあり、録音物のとどめている音質について考えてしまう。
音の手触りとも言うべき質感に、必要に執着していたことがあるが、時間が経ってもそこに留まっているものを不思議に思う。普通、それらは個人的な経験と関係しているし扱うのが難しい。つまりは環境や聴くタイミングや聴き手によって伝達は定まらず、(作り手の意図の伝達などという大それたことを考えずとも)正確に行われるとは考えにくい。
一般的にはこの手の質感は音楽作品の議論の対象にあまりならないし、あえてしないことが大人な振る舞いとなっている節もある。

しかし、なにかもう少し整理したい。「**時代の音」というような類いの言葉のさすものとはそもそも何なのか。



五線譜による作品の演奏と、記録物の再生とは本質的な違いがあるのだから、ならばいっそ
記録物と時間を資材として扱うコンポジションの実験をしてみる必要はないか。

『いま1分間録音したものを、ちょうど30年後にすべて再生せよ。』



Posted by shimaf at 01時11分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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