2010年07月23日(金)
池田 泰教さん。「土の人 3Portraits」(その3) [レポート]
2010年5月9日の名古屋でのMimiz発表の際に、会場で記録のお手伝いをしてくださっていた、池田 泰教さんから最新作「土の人 3Portraits」の非売品(プロモーションのみ)DVDを受け取っていました。
その後、新潟へ戻りすぐには観れなかったのですが、体調や気分が整った6月のある日に大切に観させていただきました。
集中して観れる時間というのは思っているほど多くはないので、タイミングのよかったその日には、実はもうひとつ別の作品を観ようと思っていました。
先に観たDVDはある音楽家のライブをおさめたDVDで、プロの仕事の上に成り立っているものだと理解していました。映像編集をされている方は知らない方なのでここではその作品のタイトル等は伏せますが、そちらのほうは最初の数分だけ観て結局観るのをやめてしまいました。おそらくその日のライブはすばらしかったと想像するのですが、カットのリズムと会場で鳴らされている音との間に強いギャップを感じてしまい決して集中して観ることができなかったのです。
ということでそちらは早々に切り上げて、池田 泰教さんの新作に移ったのでした。
こちらはまずそのしっかりと対象を捉えた映像の美しさ(もともとはハイビジョン撮影されたとのこと)、それから音/録音状態の良さに驚かされました(録音はウエヤマトモコさん)。
益子の3人の作家さんを対象にした記録映像なのですが、淡々と変わっていく映像、言葉、環境音、それを取り巻く自然の風景、、それらの要素がカットの流れによって的確に反応し合って、その土地の匂いまでもが立ち上ってくるようでした。
本作は池田さんのこれまでの映像作品の流れを確かに組みながらも、でもまたそこに軽やかな編集テクニックとでも言うような何かが加わっているようでもありました。とても気持ちよく観ることができました。良く説明できないのですが、あ、うまいなという箇所がいくつも忍ばせてあって、それらが最後に記憶の片隅に残ってくれるような、、実際これはあまりない映像なのかもしれないなと感じました。
映像、記録ということにものすごく誠実である態度というのは間違いなく感じられます。可能であれば是非多くの人に観てもらいたい作品でした。
>池田 泰教さん。「土の人 3Portraits」。
>池田 泰教さん。「土の人 3Portraits」。(その2)
Posted by shimaf at 08時43分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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